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失敗しない分譲マンションの第三者管理方式

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第三者管理方式はなぜ必要なのか?

分譲マンションの区分所有者で運営されるマンション管理組合の理事及び理事長は、ともすれば区分所有者のクレーム相談係になる事も多く、一般的に理事仕事は敬遠されるのが現状です。
かといって、ひとりの理事長が長年にわたり就任するマンションでは、万が一の背信行為があった場合に、発見まで時間を有する事により、大きな問題に発展しているニュースを目にします。
そのため、各管理組合では、理事の選出方法を輪番制にするなど、半ば強制的に理事を選出しているところも見受けられます。
この場合、開催される理事会では、マンションの構造や防災など専門知識の不足から、明らかに無意味な議論が長時間にわたり続けられるといった事態や、さほど重大ではない設備上の問題を、正義感から大きく取り上げ多額の予算を投入してしまうなど、時間的にも費用的にも大きな浪費をしてしまいがちです。

本当にあった、理事会の失敗

筆者が暮らしていた24階建てマンションでも、以下のようなことがありました。
火災時の避難ルートの心配をされた理事会の傍聴者が発言されました。
「ここは高層マンションであるから、火災時の避難ルートや、煙に巻かれたときの対処法を知りたい。」という内容でした。
もちろん、マンションの防火設備は整っており、理事会では以下の旨を繰り返し説明しました。
「各戸の玄関扉は防火扉であり、仮に火災が発生しても隣家に延焼しない構造です。
また、2本ある非常階段は各階の防火扉内であるため、安全な避難が可能です。」
しかし、当該質問者は同様の発言を理事会の開催都度に行う為、同じ回答の繰り返しを行う事が何ヶ月も続きました。
理事会は当該質問者を納得させる目的で、各階のエレベーターホールにスチールロッカーを設置しました。
ロッカーの中身は、ヘルメットや防煙マスクで、一旦はこの問題が収束したように見えました。
しかし、それなりのグレードのマンションの各階エレベーターホールにおかれた武骨なスチールのロッカーは、悪夢のような光景でした。
その上その後も、当該当該質問者から同様の質問が繰り返され、そのたびにマンションの構造の説明が繰り返されました。
ある日、説明内容をやっと理解されたのか、「じゃあ、あのロッカーは要らないってこと?」という回答を得ました。
結局のところ理事会の説明能力のなさの象徴が、各階エレベーターホールに置かれた鼻骨なスチールロッカーとして残りました。

では、どうすればよかったのか?

本来、マンションの区分所有者は、自己の財産であるマンションの管理に大いに興味を持つべきです。 理事会での議論や採決が正しい方向ではなく、声の大きな人の意見を納めるために使われたとき、時間の浪費だけではなく、修繕積立金が無駄に使われたり、結果的にマンションの資産価値を落としてしまう可能性があります。
しかし、いかに興味を持っていただいたところで、現役で働く皆さんの貴重な時間を理事会の勉強に割り当てる事が難しいことも理解できます。
リゾート型や投資用マンションであれば、区分所有者は居住されていないケースが圧倒的多数となりますので、物理的に出席することが難しいと推測できます。
このように、理事の選任の問題や個人の能力にも限界があるため、費用を負担してでも専門家に任せるべきという考えを多くの人がもつようになってきました。

第三者管理方式とは

第三者管理方式とは、もの凄く簡単に言うと、管理組合運営を「管理会社」や「マンション管理士」などの第三者に委ねることです。
第三者に委託する業務を青色で表示すると、概ね以下のようなケースが考えられます。

第三者管理方式のパターン

理事・監事外部専門家型又は理事長外部専門家型-1

➀理事会は今まで通りの形態であるが、理事会内部に相談できる専門家がいる。

②理事長に内部専門家を招くことにより、意思決定の速さととともに管理会社への適切な要求ができる体制。

③外部専門家が管理者となり、理事会は監事的立場となり、外部管理者を監視する。

④ ③にプラスして、理事会内部にも相談できる専門家がいる。

⑤外部専門家が管理者となり、理事会は設けず、区分所有者から監事を選任して監視、総会が管理者を監視する。

理事会内にマンションの外部専門家を招く①のケースでは、理事会が事業者と利害関係のない専門家のアドバイスを得る事ができます。
もし、外部専門家が理事会内にいれば、前出理事会の失敗は防げたと考えられます。
しかし、第三者管理方式には解決すべき問題もあります。

問題点と、弊社が考える解決方法

管理会社が理事長または、区分所有法上の管理者となる場合は、管理業務に関する発注者と受注者が事実上同一人物となります。
確かに管理会社は、マンション管理のプロフェッショナルであり多くの知見を有しますが、担当者が一時的な利益を優先した場合、理事会とは利益相反の関係にあるとも言えます。
ここで、大変重要なことは、全てのケースにおいて意思決定機関が「総会」であるという事です。
③~⑤のケースでは、総会が民主主義を行使する唯一の手段となり、その役割は非常に重要です。
どんなに仕事が忙しくとも、どんなにマンション管理に興味がなくとも、第三者管理を選択したならば、総会の意思表示だけがご自分の財産を護る手段となります。
総会での意思表示は、「出席」「議決権行使」「委任」の手段がありますが、管理会社が理事長や区分所有法上の管理者となる場合は、利益相反となるかもしれない相手に委任する事になりますので、できる限り「出席」又は「議決権行使」を選択すべきです。

第三者管理の問題を「e投票」がサポート

弊社の「e投票 マンションシリーズ」では、マンション総会に必要な、投票用紙印刷、出欠連絡、委任、議決権行使、会場受付、会場内投票などのすべての機能を網羅し、二重投票を排除し正確な議決権数を瞬時にカウントします。
メリットは多岐にわたりますが、最も大きなメリットは投票率の向上です。
e投票」導入マンションで、規約変更などで区分所有者の3/4の賛成が必要な特別決議が否決されたという報告は受けていません。
高齢者は使いにくくなるだろうと考えられる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、「e投票」のこれまでの実績では、全年齢層の投票率が向上します。
もちろん紙による投票機能も使用可能で、「e投票マンションシリーズ」では、紙による提出を併用しても二重投票などの問題は発生しません。
アンケート機能も実装されているため、全区分所有者の意向が手軽に収集でき、管理者に伝える事ができます。
第三者管理における唯一の民主主義「総会」で、ほとんどの区分所有者の意見が収集できる環境が整備されている事は、新しい時代のマンション管理の安定に貢献していいる事と自負しています。
第三者管理において専門家のアドバイスを受けながら、区分所有者の意思決定で方向性が決まる事は、マンション管理の理想の形ともいえるかもしれません。
また、第三者管理を請け負った管理会社にとっても、民主主義の正当な行使は「自社の利益の為でなく、区分所有者のために働いている」証でもあります。
e投票」は、区分所有者の利便性の向上と、管理会社の信頼性の向上の両面で役立っている、日本の電子投票システムのデファクトスタンダードです。

新時代の総会に向けて

e投票」では、総会をライブ配信される際に、どこからでも総会を視聴しながら出席投票が可能な「外部出席機能」もカスタマイズ搭載が可能です。
詳しくはお問い合わせください。

2023.10.26追記

国土交通省は、マンション管理の効率化と透明性を高めるために、管理組合が外部の管理会社に業務を委託する「第三者管理方式」の指針改定に着手しました。従来は区分所有者が選出する管理組合が中心となっていましたが、管理の専門性の要求増と人材不足への対応のため、2016年に指針が設けられ、外部専門家の管理者選任が可能になっています。2023年度中には、外部専門家の活用ガイドラインの改定案がまとめられる予定で、管理会社が修繕工事の発注先選定に関する透明性を確保する内容が含まれる見込みです。また、所有者名簿の更新の規定など、管理規約の見直しも進行中で、マンション生活の質の向上と適正な管理体制の構築が期待されます。

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