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第3回:なぜ一部の電子投票だけが成功しているのか - Broadridgeと「e投票」に見る構造

スマートフォン 簡単投票システム

■ なぜ一部の電子投票だけが成功しているのか - Broadridgeと「e投票」に見る構造

電子投票は儲からない。
これは多くの事例が示してきた現実です。

しかしその中で、例外的に、継続的に利用され、安定した事業として成立しているモデルが存在します。

その代表例が、Broadridge Financial Solutionsです。
そしてもう一つの例として、「e投票」があります。

両者は対象市場こそ異なりますが、その成立要因には明確な共通点があります。

■ Broadridgeはなぜ成立したのか

まず重要なのは、Broadridgeは「電子投票会社」ではないという点です。
同社は、

  • 株主と企業をつなぐ通信インフラ
  • 議決権行使の流通基盤

を担っています。

つまり、投票という行為ではなく、「投票が行われる仕組み」を支配しているのです。
その結果、

  • 毎年必ず利用され
  • 継続的な収益が発生し
  • 制度の一部として機能する

という構造が成立しています。

■ 成功モデルの共通構造

電子投票が成立するための条件は、実はシンプルです。

① 高頻度で利用される

成功しているモデルは、継続的に利用されています。

単発のイベントではなく、業務として組み込まれていることが重要です。
そしてその背景には、事務局の業務負荷を下げる設計があります。

② 継続収益モデルを持つ

  • 年次/月次契約
  • トランザクション課金

といった形で、使われ続けること自体が収益になる構造が必要です。

③ 制度または運用に組み込まれている

  • 法制度
  • 組織規約
  • 業務プロセス

のいずれかに、不可欠な要素として組み込まれていること
これにより、「使われる前提」が成立します。

④ 技術ではなく「仕組み」を提供している

成功しているモデルは、プロダクトではなく、運営インフラを提供しています。
つまり、

  • 投票画面ではなく
  • 意思決定プロセス全体

を設計しています。

 

成功している電子投票の要件を、Broadridge/e投票に共通する「運用モデル」として整理すると次の通りです。

成功モデルの共通構造(Operating Model)

 

■ 失敗する電子投票の特徴

逆に、うまくいかないモデルには明確な共通点があります。
それは、「システム」として作られていることです。

典型的な失敗パターン

  • 投票画面を中心に設計されている
  • 技術志向(暗号・ブロックチェーン)に偏る
  • 選挙ごとの単発案件
  • フルカスタム開発

特に重要なのは、顧客は投票システムの専門家ではないという点です。
にもかかわらず、

  • 要件を顧客に委ね
  • 個別最適を積み重ねる

結果、非効率で再現性のない仕組みが出来上がります。

■ 本質的な違い

ここまでを整理すると、違いは明確です。

成功するモデルは、運用を設計している。
一方で失敗するモデルは、画面を開発している。

■ 「e投票」の位置づけ

「e投票」は、

  • 高頻度で利用され
  • 継続契約が前提となり
  • 業務プロセスに組み込まれ

さらに、運営そのものを設計することで成立しているモデルです。
この構造は、Broadridgeと共通しています。
対象市場は異なりますが、成立の原理は同じです。

■ 結論

電子投票が成功するかどうかは、技術ではなく、構造で決まります。
そしてその構造は、「選挙」ではなく「業務」として成立しているかどうかに集約されます。

電子投票は、極めて難易度の高いビジネスです。
実際に、安定した事業として成立している企業は、世界的に見てもごく限られています。

■ 3部作コラムまとめ

第1回:電子投票はなぜ儲からないのか
第2回:電子投票は本当に危険なのか
第3回:なぜ一部の電子投票だけが成功しているのか

これらを通じて見えてくるのは、電子投票の本質は「技術」ではなく
「最適化された業務フロー=運営インフラ」であるという点です。

そして、その運営が成立し、継続的に利用され、
安定した事業として機能しているモデルは、
世界的に見ても稀な存在です。

「e投票」は、その数少ない実装例の一つとして、
すでに長期的に信頼できる基盤として機能しています。

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会社名 株式会社 グラント
住所
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〒530-0044 大阪市北区東天満1-11-9 WAKEビル 10F

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TEL 050-3155-0060

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  • 障害解析、パフォーマンスチューニング、セキュリティ対策
  • 自動化・スクリプト開発
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